剱岳(グル山行&山小屋)




 2023年に 計画するも、大雪になり剣山荘からキャンセル連絡いただいたり、劔御前小屋に2泊したり、2024年に再計画するも、台風ヒットでキャンセルしたり、2年連続でキャンセルが続いきました。今年は年初から職場の人に声かけて、グループで剱いきませんか?と計画しました。
メンバーは、私含め4人の山行となりました。2人はロープ使ったバリエーションルートに行くとのこと(ひええ)で、一般ルートには私に同僚Kさんが同行してくれることになりました 。
事前の天気予報によると、今回は天候は良さそうです。 グループのだれかが晴れ貢献していたかな?

一日目は剣山荘泊です。二日目に劔山頂アタックします。劔からの下山後は、剣山荘から4-5時間の歩行が必要なバスターミナルまで戻ってこないといけません。コースタイム的には最終バスに間に合いそうなのですが、夏休み中ですし混雑を鑑み、室堂発の最終バスに乗れなかった場合に備えることにしました。そうなったら雷鳥沢でキャンプしよう!と、シェラフとテント、マットを持参しました。 誕生日に2ポールのUltra Lightなテントを旦那からもらったので、かなり軽量化でき、トータルで11.5kgのザックになりました。

21日

信濃大町~扇沢

信濃大町駅前の可愛いオブジェと朝ごはんをいただく

私がいつも使っているアルピコの深夜バスは、新宿南口を23時に出発します。去年から扇沢には連れて行ってもらえず、信濃大町に05:00時着になります。バスの中では03:00時くらいまではぐっすり寝れたと思います。

信濃大町駅前から、06時15分発の路線バスで扇沢に向かいます。その間に行動着に着替えます。皆さん色々なやり方があると思いますが、私は行動着と、リラックス着の、2セットを乾かしたりしながら使い回しています。

扇沢~室堂

扇沢 で、07:30始発のバスに乗ります。ここのお弁当売りの口上がお笑いで素敵。前回もやってたけど、同じ話の繰り返しじゃないところがすごい。

バス乗る時に、バリエーションルート組と合流しました。バリエーション組はロープや登攀器具を持ってきているので20 ㎏越えの大荷物です。ひええ。4つの乗り物を乗り換えて、扇沢着が09:00時ちょっと前でした。

室堂~劔御前乗越

室堂から雷鳥沢の劔御前ルート入り口に向かいます。途中のエンマ台の硫黄の吹き出しが前回、前々回来た時よりもより濃い感じで、呼吸が苦しい。周りの皆も咳き込んでいました。

数日前に、みくりが池で熊が目撃されていたそうです。しかし私は変な自信があります。熊は、犬、特に中型以上の猟犬のオシッコの臭いに敏感だそうで、里山に熊を来させないために、猟犬散歩作戦があるほどだそうです。もしそうなら、私の臭いを嫌って寄ってこないはずです。だって、毎日紀州犬&甲斐犬のオシッコ掃除してますもの。

甲斐犬の牙(乳歯)をお守りに持っていきました


剣山荘

剱澤のテン場を超えて剣山荘には13:00ごろつきました。同僚Kさんは、室堂に直行でくるバスで、なんと07:00時には室堂についていたそうで、先にチェックインされていました。良いバスだなー。今度使おう。

剣山荘 は想像したよりも小さな山荘でしたが、沢沿いの山荘なので、シャワーが使えます。13−17時使用可です。夕飯も豪華でしたし、次の日のお弁当も豪華でした。 

 

劔御前小屋のような談話室があるわけではないので、食堂に漫画や雑誌が置いてあります。それを読んだり、外を散歩したりして午後の時間を潰しました。

 

これ、石英?水晶?こういう真っ白な岩の破片があちこちに転がっていました。 

 

ただ、谷沿いの小屋なので、ネットはありません。auだとStarlinkがつかえる山岳ネットというサービスが提供されていました。わたしはDocomoなので使えません。うーん。こいうのあると、Dual SIMにしようかなーと考えちゃいますね。

夕飯後、 ワインをいただきながら、夕焼けが見れるかなーと期待したのですが、霧が濃くてあまり何も見えませんでした。明日に期待!

22日

出発

19時くらいには就寝して、夜01時くらい に目を覚ましました。布団でゴロゴロしていたら、03:00ごろ、同室の人が夢見たのか、すごい叫び声が聞こえました。めっちゃ目が覚めたw
04:00時起床予定でしたが、Kさんも起きだしていたので、03:30起床しました。朝ごはんのお鮭弁当を食べて、当初の予定より早く、4時10分ごろ出発になりました。
まだ外は暗いですが、皆さんもう準備されていて、玄関前は大賑わいでした。
 
剱岳には、13の鎖場があり、それぞれに金属プレートが表示してあります。いくつかには名前もついています。13難所がある、なんて、聖闘士星矢12宮編(12+教皇の間)みたいだな、とか昭和なこと考えていました。 

一番&二番鎖場 

この辺りは足慣らしです。周りは結構ガイド付き、ハーネス着用の方々もいます。他の方が雇ったガイドさんに、あ、前詰めすぎるとあぶないよーとか声かけてもらいました。はーい。

一服劔

30分くらい上ると最初の休憩場所です。


 

この後、一回下って、前劔に登ります。前劔への登りはすごくザレています。登りにくいです。

3番鎖場 

前劔大岩という、頂上付近の大きな岩の横を通っていきます。

4番鎖場 

こちらは短いトラバースでした。

前劔~劔山頂

前劔のあたりで朝日が出てきました。 


 ここから先、岩場が険しくなるので、ヘッドライトの光だけでは手元足元が危ないなーと思っていました。なので明るくなるタイミングはちょうど良かったです。一方、この時間は横からの日光になるので、岩の凹凸の見え方が影で騙されがちです。注意しないといけません。

5番鎖場 

何これメッチャ細い橋!が!谷にかかってる! 

Kさん撮影 

こういう谷にありがちな強風にもあおられます。そしてその後トラバースです、けっこう高度感あります。

私はこの橋が一番嫌でした。だって、安全対策何も取れないじゃないですか。岩なら三点支持とかあるけど。 

6番鎖場 

垂直に下がる感じです

7番鎖場 平蔵の頭

鉄の杭が打ってあります。これに手足をかけて登ります。が、日本人平均身長の女性にとっては、手足の長さに合わず、まばらだと感じるかもしれません。

8番鎖場 平蔵のコル

垂直に上がっていきます。

9番鎖場 蟹のタテバイ 

50mの垂直壁を登ります。これも鉄杭が打ってありますがまばらで、あまり平均身長の女性向きにはつくられていないですね。どちらにせよ、岩をうまく使わないといけません。ただ、北アの岩は鋭角に崩れるので、掴みやすいです。(※南アの甲斐駒は、丸く削れて掴みにくかった記憶があります)

山頂まで 

タテバイが終わると、ガレガレの道を登ります。早月尾根との分岐が見えてきました!あーなんか、ここ2年トライしようとしては、キャンセルになった、それがようやっと実現するので、感動もひとしお。と思わず口に出すと、いやいや、まだ山頂じゃないですよーw。とKさんにツッコまれました。その通りです。

この早月尾根分岐から山頂まで、たくさんの錆びたスチール缶?が敷石の間につまっていました。何だろう?



山頂~前劔

山頂に出ると、すごく天候に恵まれました。ここではネット通じましたよ 

後立山が見える

 バリエーションルートのチームの山頂予定時刻より、2.5時間も早い時間でした。先に降りまーすと連絡して降りることにしました。
下山中、途中で蟹のタテバイを登ってきた方が、ハーネスと繋げたカラビナに、鎖を通しているのを見かけました。なるほど、そうやって使うのか!
…ん?でも待って?垂直方向の鎖だと、落ちた時に鎖の支点まで、落ちちゃわない?それはそれで怪我しそう。下まで落ちて死ぬよりマシって感じかな?

10番鎖場 蟹のヨコバイ

下山コースの最初の難所です。途中までは普通の下りトラバースなのですが、それが途中で切れます。そこが有名な、最初の一歩が見えずに、崖の空中に体を任せないといけない難所です。大体皆さん、これが一番怖いといいます。

こわい。やばい。 無理!!しかし、当たり前ですが、ここを通らずに帰ることはできません。

そんなビビりの私は、Kさんに泣きついて、先に行ってもらいました。

 先行したKさん崖の向こうに消えていきますが、すぐに「あっでも、印たくさんついているので大丈夫そう」と報告してくれました。


知った顔の ひょっこりはん、すごく安心するーー!

おかげで渡れました。ありがとう!!

へっぴり腰だがな! 

Kさんが撮影してくれてました


11番鎖場 

短い下り垂直下りです。

12番鎖場 平蔵の頭

長い20メートルの登りの後、下りです。

劔のコースは、一部登りと下りのルートが分かれているのですが、なぜか、登りの人が降りて来たので、先に降りてもらいます。間違っちゃったみたい、だそうです。すみませんすみませんと、なんか恐縮してらしたので、おお!バリエーションルートw!と声かけたら笑ってくれた。よかった。

13番鎖場 前劔の門

これも垂直登りでした。 

前劔~剣山荘

Kさん撮影

 

さて、結構日も登って暑くなってきました。来るとき通った道ですが、ガレガレ!浮岩ばかりです。下山なので足の疲れもそろそろきています。また人間の体の構造上、登りほど筋肉もあったまらないので、うまく動かず足を取られそうになります。めっちゃツライ。どの13難所より、この前劔南側のガレの下りが嫌だと思いました。 膝にくるー。

剣山荘~劔御前乗越

10時15分ごろに剣山荘に帰ってきました。デポしていた荷物を引き受けて、カップラーメン(600円)をいただき、11時に出発しました。来た時はテン泊したバリエーション組と一緒に剱澤の方から剣山荘に来ましたが、帰る時は、劔御前乗越からのトラバース道を通りました。お花畑が豊かで、しかも雪渓近くを通過するので、目の肥やしになります。

 

チングルマがあちこちにいて可愛い

 しかし、アタックザックから、全荷物運搬に切り替わっていますので、歩調は重くなりました。山頂アタックで体力を消費した後なので、行きより重く感じます。

劔御前乗越~室堂

劔御前小屋は二年前に二泊した思い出の小屋です。ちょっと見学してから、下りました。
ここからは、ザレた下りです。雷鳥沢のテントが見えて、だんだん大きくなります。金曜日ですので、結構多くの人たちがあがってきました。危険な所はあまりないのですが、最後の方は脚も疲れ、かなり飽きてきてました。雷鳥沢の小川マダー?

雷鳥沢には、13:30 ごろ着きました。予定より早めについたので、私は終バスより早めのバスを目指します。Kさんは雷鳥沢ヒュッテでもう一泊するとのことなので、ここで解散しました。

雷鳥沢から室堂までは、長い階段をひたすら荷物背負って登ります。今までと違って舗装された道なので比較的楽ですが、汗びっしょりになります。その汗と、体中に着いた汗の塩っけを流すために、室堂駅に一番近いみくりが池温泉に入ります。

みくりが池温泉 

立ち寄り入浴1100円+記念タオル400円です。今回のっぴきならない理由(✳︎後述)で帰宅を急ぎたい私は、烏の行水で、汚れと汗を落として、湯船に数秒浸かって出て着替えました。10分もいなかったと思います。もったいないが、仕方がない。

室堂発15:00のバスに滑り込み!で、乗り込みました。乗り込んでバスの中で、アプリで富山発の予約していた19時台特急を、18時台にと少し早めて予約を取り直しました。

そういえば、富山電鉄で面白いキャンパーグループを見かけましたよ。アルコールランプとか靴とか、ギア袋とかすべてザック外付けでブラーンブランしてた。
↓これに似てる?



あ、歩きにくくない?バランスとれなさそう...

Spagetti Monster Camper?

 富山電鉄は、町中に入るとすれ違いのためか、一駅ごとに長時間止まったりします。予約した特急時間に間に合うかしら、と、ドキドキしますわね。
それでも、結果、18:17の特急には乗れました!

富山駅は本当に暑くて、びっくりしました。今朝、劔山頂にいて、ダウンコートが欲しくなる環境にいたなんて、信じられん。標高差すごい。 

最後に 

 3年越しのWishlistである、剱岳に登頂できて本当に良かったです。また、今年からなるべくグループ登山にする!に切り替えて、その良さを噛み締めております。もちろんソロにも良さがありますが、この二つは、別腹の良さがありますね 。

 なお、いつも下山後は、足が筋肉痛になるのですが、今回は足は筋肉痛ではなく、大臀筋と、腕が筋肉痛です。鎖にしがみついたり、足場に踏ん張ったりしたせいかな。足が筋肉痛ではない、の理由は、剣山荘で荷物を預かってもらえたおかげで、頂上へは小さいザックしかもっていかなかったし、全荷物でもUltra Lightテントが軽量化に貢献していたからでしょう。

結局、テントは使わなかったけどね! 

  

 ✳︎実は翌日から家族が武道合宿で、翌朝から犬の世話がワンオペになるからです

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