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Showing posts from January, 2013

お世話になりました。

もさもさとしているうちに、捏造ノンフィクション話にご登場いただいたバーテンさんが
お亡くなりになりました。

女性とはめったに話したがらない人だったし、
私もそれほど英語が得意だった頃でもないので、
あまり会話する機会はありませんでした。
が、ウイスキーのレモンソーダ割りという、
妙なRailドリンクに私が凝っていた頃、2杯目くらいには言わずにも、
ウイスキー&サワー?と聞いてきました。

大変お世話になりました。

正しくない休暇の使い方

昨日は休暇とったのに

1)朝4:30に起きてBodyPumpに行って
2)帰ってきて犬と5マイル走に出て
3)おきてきた旦那と朝ごはん食べて
4)コリアン食料品店に買出しに行って
5)オバマの式展TVで見つつ、昼食食べて、
6)描きかけの絵をちょっとすすめて
7)気付いたらタブレットの上で、30分くらい居眠ってたので、
8)一階に下りて洗濯物回しつつ、ピアノの練習してたら、

「夕飯できたよー」と、旦那。


・・・あれ? 休暇は??


早起きして「まだたっぷりあるぞ!」だったはずの時間が
さくっと過ぎてしまったので、悲しい。



ところで、米国でMサイズ服買ってる日本人、
なのに親指穴つきの上着が軒並み穴が親指に届かない。
これも悲しい。つか寒い。


そして今週金曜日は旦那の誕生日でもあります。
雪になるそうですので、一応缶スープとか買っておくこと。

オヤジ萌えぇ☆

べったり日記っぽいことも書いてもバチはあたらんだろう。


ピアニストのBrian Ganz氏は、St.Mary大学や、
ジョンスホプキンスのPea body音楽院で教師もしています。

で、「ショパンプロジェクト」というのを数年前からはじめていまして、
一人でショパン作の曲を全部弾いて録音しよう!という大風呂敷企画で、
10年以上かかるそうです。

今年は3回目で地元Strathmore劇場で演奏します。
お題はこんな感じ。

マズルカ Op. 7; 3つのエコセーズノクターン C-sharp minorプレリュード プレストA-flat major バラード No. 1 in G minor,&No. 3 in A-flat major24 プレリュード
Strathmoreは結構大きな会場です。渋谷の文化センターくらい。
DCのナショナルフィルハーモニックが協賛しているとはいえ、
一人で借り切るのは相当リスクだと思いますよ。

で、めざせ満員御礼。
年始から毎週地元メリーランドあちこちで、無料コンサートやって
プロモ活動されてます。

1月5日(土)ユダヤコミュニティセンター@Rockville 昼
1月6日(日)ユニタリアン教会@Annapolis 夜
1月12日(土)St. Johns教会オーケストラのディレクターのおうち Ellicott City 夜
1月13日(日)Methodist教会@Frederic 昼

全てメリーランドです。私が行ったのは、1月5日(土)と1月12日(土)。

両方とも、本番19日にやる曲の一部を演奏してました。
しかし演奏だけでなく、いちいちその曲の成り立ちとか構成とか説明してくれます。流石教師。
そして、ショパン リクエストタイムもあります。
両日とも「革命」とか「幻想即」とか「英雄」とかがリクされてます。まあ有名だしね。

5日は、質問タイムで「中国から5百万人のピアニストが襲来しつづけてるけど、どうしたらいいか?」とか
「うちの息子では月光ソナタ(←ショパンじゃねぇ)弾けないと先生に言われた。どうしたらいいか?」
といった、


うーん。じゅー・・・・(汗)。


な、質問も出てましたが、上手くかわしてました。
先生vsモンペ?

この日は、携帯鳴らしちゃう客とか、歌い出しちゃう客とか、途中からどかどか入ってくる客とか
オラぁー(怒)な感じ。じゅー…

ゴーレム7

葬式の次の日、俺は仕事のに復帰した。
まるまる一週間休んでしまったが、上司は「家族の緊急事態」で処理してくれていた。

ネイサンやカーラは「家族」ではないが、
有給を消化するよりもそのほうがいいので、その点については何も言わないでいた。


「でね、本社には事件のことはいわないでおいたの。
だから、本社の人事から直接なにか聞かれたら、親戚がとか言ってくれるとうれしいわ。」

朝一で訪れた上司の部屋で、彼女はドアを閉めて言った。

「それは構いませんよ。俺だって、根掘り葉掘り大騒ぎされたくはないし」

「そうじゃないの。」

壮年に近いアイリーンは、昔のハリウッド映画風に染めた髪を掻きあげ、
小さいため息をついて、
けばけばしい表紙の「ワシントン・エクザミナー」を引き出しの中から出した。

「まあ、この手の雑誌が、ローカルな事件をこういう取り上げ方するのはいつものことだけど、
うちの部の人間がこういう言われ方される人と同居していた、って
本社人事には伝えないで居たほうがいいと思ったのよ。」

俺は目を見開いた。
「エクザミナー」は、大きな縁付き赤文字でその表紙を飾っていた。

『DCの闇のボスDJ腹上死!淫行中にその情婦に銃殺される!』
『違法ドラッグが関与か?!』
『アジトに南米ギャングの流通の影!』


アイリーンは、机に突っ伏して凹んだ俺を1分ほど見つめることになった。

アイリーンの判断は懸命だと思う。
ワシントンエクザミナーは、ローカル誌とはいえ、首都のローカル誌だ。
俺がクビになるのはもちろん、
俺を雇った上司のアイリーンの立場もまずくなるだろう。


「ええと、あの。スコット?ここに書いてあることを私が真に受けてるとは思わないでね」

「・・・勿論そんなこと。」
俺は突っ伏したまま答えた。

「ただね。こういうことは不正確な憶測を呼びやすいの。分るわよね?
本社人事は保守的な人たちが多いから、不要な誤解は私たちのチームにも良くないと思ったの。
このことであなたの能力を失うのは、私のチームにとって、大変な損害だと思って。
・・・ごめんなさいね。あなたの個人的なことなのに、勝手に私が嘘つくことになって」

本社は、ユタ州はソルトレイクシティにある。
保守層の巣窟だ。

「全っ然!かまいません。むしろ、お気遣い有難うございます!」
俺は、やっと顔を上げて、アイリーンにそう言った。


◇ ◇ ◇ …

ゴーレム6

警察の聴収もない日だったため、フィラデルフィアから来たネイサンの両親と、 年上の姉上殿、と俺で、葬式の計画を立てた。

いまさら紙の郵便で案内を出すような人は、年老いた親類だけだという。
だからオンラインで連絡できる友人関係は、俺から連絡することになった。

ご両親は、警察帰りでホテルに連泊していた。
もちろん落胆激しく、言葉も少なかったが、
ネイサンの主義や生活をよく熟知していて、
はっきりと無宗教の集会にしたいと断言した。
親しい友人のDJの名前を何人か知っていたので、彼らにBGMの選曲を任せるとのこと。

俺はすこしネイサンが羨ましくなった。

俺がたとえ明日、不慮の事故で死んだとしても、
死骸はネブラスカに冷凍空輸されて
俺の意思にかかわらず、訳の分からないプロテスタントの棺に込められて
2000年前にくたばった男の骸をあしらった十字架の下に埋められることだろう。

・・・そう、いちいちいいたかねぇが。

ジェイもあれからDCに滞在している。
俺が人様の葬式をきちんと施行できるか監視するため、
そして、最終的には両親の元に一度帰宅させるため、
金魚のウンコのように俺の後ろにぶら下がって歩きやがってる。
(※・・・やつの話になると、俺の口調が変になる。から余計に嫌だ)

そして、葬式の日。
思ったとおり、沢山の人が詰め掛けた。
地元中心の活動とはいえ、ちょっと名の知れたミュージシャンの姿も見える。

しかしそもそも、常日頃から葬式みたいな姿で会っているやつらが
集まっているので、葬式だということを忘れてしまいそうになる。

違うのは、送られてきた花束と、ネイサンの棺桶。

ネイサンにはいつもイベントで着ていた、真っ黒な中世の騎士のブラウスを着せた。
これは俺が彼のクローゼットから引っ張り出した。
普通は死化粧をほどこすところだろうが、
ネイサンの顔は半分吹っ飛んでしまったので、
彼がルネサンスフェスティバルで買った、いつも壁に飾っていた
石造の、細かい美しい中世風の細工が施された仮面が被された。

紫と濃紺の羽飾りが、カタチも命もない顔の輪郭を飾る。

--仮面が似合わなねぇよな。

俺はDC中心ストリート(モール)の空気を思い起こしていた。

無害な一般人です、と仮面をつけてKストリートを闊歩している、
SMショップお得意さんのお高い弁護士や、
こそこそと男娼を買うくせに、ゲイの権利…

ゴーレム5

そして事件から2日経って、
ネイサンの家族と、葬式の算段のためもう一度会う予定の日。

俺の所にも(地獄の)使いは来た。

「よう。相変わらずこの世の終わりみてぇな
 しけたツラしているな。」

日に焼けた顔の周りのもじゃもじゃの赤毛の髭と
適当に切った、これまたもじゃもじゃの短髪の髪は
髪だか髭だか鼻毛だか、境界線がわからない。

まるでトイレブラシだ。

俺はそのトイレブラシを下からにらみつける。

「・・・あンたの顔見ただけで、
 この世の終わりは十分堪能したよ。」

事件を聞いて、両親が送りつけたのだろう。
兄、ジェイがどうかぎつけたのか、マーク・コレッティの玄関先に立っていた。

いまどきコール天のシャツのすそををジーパンのなかに入れて、サスペンダーをしている。
コートも着ないで。60年代かよ。場違いもはなはだしい。
何だってこんなのと血が繋がってんだ!

「家に帰ぇれよカウボーイ。ここは首都ワシントンDCだ。
 あンたの来る所じゃない。」

俺はわざと、今ではジョークでしか使わないネブラスカなまりで言ってやった。
懐かしいと同時に、不自然にそれは耳に反響し俺を不愉快にした。

「苺ショートケーキちゃんが生意気な口たたくな。
黒人ニガーの大統領がいる首都なんざ、いまさら首都なものか。」

と言って、兄は家に入り込もうとしたので
すかさずドアを閉めようとしたが、
その樽腹を、ぼよよん、と挟んで、ドアは逆に勢いで大きく開いてしまった。豚め!
俺が唖然と開いたドアを見ているうちに、兄はずかずかと家に入って来た。

「勝手に入ってくるな人種差別主義者レイシスト!!
俺ンちでもねぇんだぞ!」

「ぉーい。そういきり立つなよスコット。」

とうとうマーク・コレッティがのそのそと論文机の部屋から出てきて仲裁した。
彼も大概四角い巨体ではあるが、兄と並ぶと小さく見える。

「兄上さん、も遠くから来た上に、まだ朝の10時前だ。
コーヒーと、ベーグルでよろしいかな?」

「有難う。いただきます。ジェイと言います。
 弟がお世話になっております。ミスター・コレッティ」

考えてみれば、マーク・コレッティもテキサスはヒューストン出身で、
この手の輩の扱いには慣れている、のかもしれない。

そして、俺よりもずっと大人だ。

マーク・コレッティの仲裁で、ジェイは今日のところは近くのホテルに泊まり、ペンタゴンの観光をするこ…

ゴーレム4

「自殺するようなやつだと思ったことは無かったんだがな」

マーク・コレッティはその四角い顔をしかめた。

すぐに「いや、だからといって、カーラがどう、といいたいわけではないのだが」
と付け足した。

---

警察が、カーラを保護したその夜は、俺は彼女と二人で近くのモーテルに泊まった。

次の日の朝、彼女の両親がオハイオ州から車で迎えに来た。
大体車で飛ばして8時間の距離だ。
連絡を受けて、直ぐに家を出て、夜を通してでハイウェイを飛ばしたのだろう。

彼女はそのまま、モーテルからオハイオの実家に帰った。

両親は、車から降りもせず、俺に挨拶もしなかった。

あの調子だと、彼女がDCに戻ってくることは無いだろう。
何かの用事で帰ってきたとしても、俺に連絡もしないだろう。

そういうことだ。

「良い人」たちの、非日常に対する反応だ。

正確な因果関係よりも、「自分たちの日常とは違うように見えるもの」
に、とりあえず厄介なことを押付けて、
うちら良い人でございと涼しい顔ができればそれでいいのだ。

--この世のどんな醜いことも、見なければ、見えない。見えなければ、存在しない。
そんな声が、走り去る彼女の両親のシビックから聞こえたようだった。

まあ、モーテルの玄関先で見送った俺も、けして褒められた風体ではなかった。
モーテルに来る前に最低限の着替えをひっつかんだとはいえ、
整えもしない長髪の赤髪(ジンジャー)で、黒ジーンズに地元デスロックバンドのTシャツ姿の、青白い顔した貧相な若い男、という見え方だろう。
そりゃ、娘を殺人事件に巻き込んだ悪鬼だという印象をあたえたわな。

「何か必要だったら、メアドいつもチェックしてんで。」
と彼女に言ったのが最後だった。

きっと、荷物を送れとかそういう用件しかこないのだろう。

その日は、仕事は流石に休んだ。
上司に電話で連絡したら、もう事件のことは知っていた。

「2-3日休んでいい。とにかく警察に協力しろ」とのこと。
直接対面する顧客のいないエンジニア職は、これだから辞められない。

自分の状況を、フェイスブックやツイッターに上げようとして、
モーテルのワイヤレスLANづたいにノートパソコンを開いたら、
100を超えるコメントやら、直メッセージやらが来ていた。

思わずノートを閉じた。
もう一度あけて、自分あてのメッセージを無視し、
カーラのフェイスブックページ…