硫黄岳~横岳~赤岳縦走(ソロ)
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以前家族と硫黄岳(正確には手前の赤岩の頭まで)登った時に、稜線を歩く人が見えて、うらやましいなあ、と思っていた。
ので、今回同じ富士見高原リゾート犬キャンプ場で犬キャンする日の前日に、ソロで小屋泊して、稜線歩きをすることにしました。
1日目
登山口まで
地元駅早朝に出て、東京駅から佐久平まで北陸新幹線で行き、JR小海線で小海駅まで行きます。JR小海線はSuica等は使えません。平日の朝だったため、通学の高校生でいっぱいでした。しかし都会の電車とはずいぶん違います。何が違うのかと言うと、乗車してくる生徒全てが互いのことを知っていて、おはよー、とか挨拶しておしゃべりし始めます。高校生だけではなく、小学生も同じ会話の輪にまざります。
なんか、どこかの教室に紛れ込んだみたい。
小海駅を降りたら、地元バスで「みどり池前」で降りると、ちょうどしらびそ小屋に向かう登山口で降りれます。最初、地図にあった「稲子湯前」まで行くつもりでしたが、私の後ろから乗ってきた登山姿の男性が「みどり池」と、行ったので、その場でYamapで調べてそちらで降りることにしました。男性に感謝。
10:30 頃、降り立つと、脚がちょっと寒い。今回、真冬用の中ボア付きのは流石に暑いだろう、と考えて、夏用のパンツの下に登山用のCW-Xのタイツという、残雪なめてんの?な格好できたので、大丈夫かな?と不安になりました。
(✳︎結果:意外とこれでも大丈夫でした。上半身はレイヤリング凝ってたし、登りで暑くなったので。ただし、アイゼンで穴あけてしまいました。どちらにせよ春夏用のパンツ買っとけ)
(✳︎結果:意外とこれでも大丈夫でした。上半身はレイヤリング凝ってたし、登りで暑くなったので。ただし、アイゼンで穴あけてしまいました。どちらにせよ春夏用のパンツ買っとけ)
しらびそ小屋
この時期は休業中です。ここで軽アイゼン(チェーンスパイク略してチェンスパ)を装着します。ここまでの雪はそれほどでなかったのですがここから樹林帯です。
天狗岳が映る湖面が美しい。
「食事中のため立ち入らないでください」(動物食堂 リスより)←可愛い。
本沢温泉
しばらく歩いて分岐してすぐに本沢温泉です。こちらでトイレを借りました。うん。ぼっとん。山って感じ。
ここで休憩。羊羹をいただきます。ここは野天風呂があるらしいですよ。
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硫黄が豊富に配合されているのかな。 |
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歴史は深そう。 |
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登山道から丸見えの風呂ですね。やてんだわー |
夏沢峠
けっこう急な樹林帯をジグザグに上がっていきます。狭いトラバース道を阻むように植物の枝が伸びてて危ない。この時期はメンテしようにも植物の成長がはやいので、メンテする人も大変だなあ。
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雪庇じゃん。 |
夏沢峠に着きました。夏沢ヒュッテもやまびこ荘も、今は休業中です。
こういう時、水場の確保に苦労しますね。 1ℓのボトルと400mlのボトルは空に近くなってきました。ゴールは近いとはいえ、先ほどの本沢温泉で水補給すればよかったかな。
こういう時、水場の確保に苦労しますね。 1ℓのボトルと400mlのボトルは空に近くなってきました。ゴールは近いとはいえ、先ほどの本沢温泉で水補給すればよかったかな。
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民族楽器を弾いている方がいらっしゃいました。 |
オーレン小屋
夏沢峠からちょっと下るとオーレン山荘です。
ついたー!
こちらはお風呂もありますし、夕食も馬肉しゃぶしゃぶです。豪華ー!!
チェックインの時、「トイレとお風呂は~」と説明されて、
「おふろ?!」
と、頓狂な声出してしまいました。
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持ってきたワインで乾杯 |
この日は意外と空いていて、宿泊者は私と、男性ソロの方のみでした。
次の日に旦那が富士見高原リゾートに来る時間を鑑みて、阿弥陀岳行こうか考えていたのですが、いやー、今の阿弥陀岳はきついと思うよーというアドバイスをいただきました。

ピークの一つ(多分、石尊峰)で、そのまま直で降りようとしたら道がない!落ち着いて見回したら、下に道がありました。あぶない。
途中で、三叉峰のあたりかな、カップルの登山者とすれちがい、女性の鎖待ちの間、どちらから来ました?なんて会話になります。オーレン小屋から硫黄と横岳縦走しました、と言ったら「根性あるねえ!」と言われました。
赤岳への道は急登で、しかもシャーベット状の雪に覆われているので、ずるずる滑ります。


シャーベット雪では一度足を滑らして、10メートルくらい下に滑ってしまいました。
加速する瞬間、怖かったです。とっさにストックを立木にあててブレーキを掛けましたが、
二日目のピークまで
下山コース
*ところで、今年はソロは卒業したいとか言ってたんですが、またソロってしまったです。反省。
そろそろ、身体能力的に、去年できたことが今年はできない現象が発生するお年頃なので、なるべくグル登山に倒していきます。目標。
(※ 次の日実際に赤岳まで登ってみて、そのとおり!この時期きつい!でしたよ。)
二日目
3:30に目覚ましをかけて、起きました。外を見ると真っ暗です。窓から見える星がキレイ。夜早めに就寝したけど、外出ればよかったかな。
4:30頃に出発しました。外は薄暗いですが、空はすこし明るくなりつつある時間です。軽アイゼン樹林帯を上がっていきます。赤岩の頭直前は急登で、ずるずる滑ります。これは12本アイゼンにすればよかったかなと思いました。
4:30頃に出発しました。外は薄暗いですが、空はすこし明るくなりつつある時間です。軽アイゼン樹林帯を上がっていきます。赤岩の頭直前は急登で、ずるずる滑ります。これは12本アイゼンにすればよかったかなと思いました。
硫黄岳
樹林帯を抜けると、赤岩の頭です。

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中央アルプス、乗鞍、北ア、立山連峰も見えました。 しばらく岩場を登ると、硫黄岳山頂です。岩場が朝日に逆光で照らされて、眩しい。見えない。 |
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硫黄岳山頂
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赤岳と南ア |
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朝日に照らされる稜線 |
横岳
硫黄岳のあたりですれ違った方に、
「今さっき、今回は女性のハイカーいないよねって話してた所だったんですよ」と驚かれました。
その方々に、赤岳の方に行くなら12本アイゼン使った方がいいよ、と聞いたので、ここでアイゼンに履き替えました。しかし、この後にいくつか続く岩稜帯が始まりました。右側から登る長い鎖。そして奥の院直前の長い鎖。ハシゴ。鎖ハシゴ。
その方々に、赤岳の方に行くなら12本アイゼン使った方がいいよ、と聞いたので、ここでアイゼンに履き替えました。しかし、この後にいくつか続く岩稜帯が始まりました。右側から登る長い鎖。そして奥の院直前の長い鎖。ハシゴ。鎖ハシゴ。
小屋泊一泊とはいえ全荷物を背負っての岩稜帯はきつい。そしてアイゼンがハシゴや岩に引っ掛かりキツイ。ハシゴや鎖渡るときにピッケルはしまうのが正解だろうけど、そういう場所ではザックがそもそも下ろせないほど狭い崖なので、結局ベルトに通してしまう。でもこれでも足の動きの邪魔になるからおそらく不正解。どうするのが正しいのだろう?と考えながらも横岳を渡ります。
こう、佐々木小次郎の刀みたいな、ピッケルを背中に背負えるような、ザックのアタッチメントが欲しい。
横岳でようかんをいただきました。
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雪は半分とけて、シャーベット状になっていて、 しかも泥と混ざり、12本アイゼンでもすごく滑りやすいです。怖い。 |
ピークの一つ(多分、石尊峰)で、そのまま直で降りようとしたら道がない!落ち着いて見回したら、下に道がありました。あぶない。
途中で、三叉峰のあたりかな、カップルの登山者とすれちがい、女性の鎖待ちの間、どちらから来ました?なんて会話になります。オーレン小屋から硫黄と横岳縦走しました、と言ったら「根性あるねえ!」と言われました。
えへ、褒められちゃった!もっと褒めて!
その方々は、私が下る予定の行者小屋から地蔵尾根を上がってきたそうですが、まあ泥と雪で酷いという話でした。逆に12本アイゼンより、チェンスパの方があるきやすいとのこと。
今回は、地面状況により、装備をとっかえひっかえしなければいけないので、本当にめんどくさいです。GWの山行ならではですね。
そして、比較的すいている平日だったためですが、すれ違う人ごとに、あっちのコースの地面状況どうでしたー?という情報交換をします。
赤岳
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赤岳直前の赤岳展望荘に到着! ここではドラム缶の五右衛門風呂に入れるそうです。これも野天。 赤岳展望荘が、この時期でもやっていてありがたいです。 私が見た限り、ここまでで営業中だった山荘は、 下の方の本沢温泉、オーレン小屋、赤岳天望荘のみでした。 ということは、途中の水の補給などに気をつけないといけません。 |
赤岳への道は急登で、しかもシャーベット状の雪に覆われているので、ずるずる滑ります。
私は一度左足のアイゼンが外れて、しばらく気付かず、一度下りてまた登る羽目に陥りました。
これ夏でもきつい急登だろうけど、雪があると格別にキツイ。12本アイゼンがないと登りにくそうですが、岩と雪が交互に来るので、岩の上での12本アイゼンは、逆に歩きづらく、つんのめります。つんのめると、下は崖です。ひぃぃ。
あああと、これは私が悪いのですが、ゲートルのゴム紐、ちゃんと中に入れておかないと、アイゼンに引っ掛かります。要注意。
とうちゃくー


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赤嶽神社です。西側が正面になります。 |
山頂付近は狭いので、赤岳山頂荘(閉業中)の裏の出口あたりに腰かけて
アルコールストーブで湯を沸かしてカップラーメンのお昼ごはんをいただきました。
アルコールストーブで湯を沸かしてカップラーメンのお昼ごはんをいただきました。
富士山に乾杯!
この直前に地蔵の頭で会った方は、登ってきた地蔵尾根コースがきつかったので、文三郎尾根の方が楽そうで、そっちから降りると言ってました。私もそっちからでも良いかなとチラリ思いましたが、赤岳展望荘で、お手洗いを借りて、500㎖の水を補給したかったので、予定通り地蔵の頭から降りるとします。この下の行者小屋も閉業中なので、赤岳展望荘が美野戸口ゴールまで、最後の補給地点です。
地蔵尾根コースは、聞いていた通り鎖とハシゴ、シャーベット雪と硫黄泥との戦いでした。
文三郎尾根コースのほうが楽だったのかな?あっちも標高差えらいあるので、そこそこ辛そうな気もします。
文三郎尾根コースのほうが楽だったのかな?あっちも標高差えらいあるので、そこそこ辛そうな気もします。
シャーベット雪では一度足を滑らして、10メートルくらい下に滑ってしまいました。
加速する瞬間、怖かったです。とっさにストックを立木にあててブレーキを掛けましたが、
本当はピッケルがあれば、雪に突き刺してもっと早くとまれたはず。
下山だからとストックを持っていたんですよね。ピッケルと両方使えるように装備するべきなんですが、それはそれで鎖の邪魔になるからなあ。いったいどうすれば正しいのだろう?
行者小屋
地蔵尾根から下がりきると、行者小屋です。この時点で14時くらいです。
その後美濃戸口へ樹林帯を延々とあるきます。一日中歩いた後なので、結構しんどいです。
ついたー!
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アイスクライミングの練習柱? |
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美濃戸口から、美濃戸口バス停まで歩いてさらに45分くらいあるのですが、通りかかった、車の女性が、「乗っていきますか?」と声かけてくださいました。
とっさに、「美濃戸口登山口の旦那のところまでお願いします」ではなくて、「すみません。ありがとうございます。結構です」と断ってしまいました。
本当に言いたかったことは
「私今ものすごく臭いし汚れているので、人様の車に乗れません!」だったのです。
とっさに、「美濃戸口登山口の旦那のところまでお願いします」ではなくて、「すみません。ありがとうございます。結構です」と断ってしまいました。
本当に言いたかったことは
「私今ものすごく臭いし汚れているので、人様の車に乗れません!」だったのです。
疲れていてうまく言葉が出ませんでした。むげに断ってしまってすみません・・・
この後、旦那と合流して、毎年恒例の富士見高原リゾートの犬キャンプでした。それはまた別に記録します。
下山コース
*ところで、今年はソロは卒業したいとか言ってたんですが、またソロってしまったです。反省。
そろそろ、身体能力的に、去年できたことが今年はできない現象が発生するお年頃なので、なるべくグル登山に倒していきます。目標。