ヒトモウリョウ

その日奴らは喧嘩をした。
朝っぱらから。
なんでも男の方の携帯に、知らぬ女からメールが入っているのを
女が見つけたとかどうとか。

女は大声で怒鳴りながら出て行ってしまった。
いつものことだ。

奴らは俺と俺のガールフレンドと一緒に
この家を借りている。
グループハウスってところだ。

女に本気で出て行かれると、来月の家賃が心もとないので
一応仲裁と、また男の愚痴聞く目的で、
俺は男と昼間っからパブに飲みに出かけた。

夕方ごろ、ほろ酔いで男と家に帰ってきたら、
女がリビングルームで、しれっと座っている。

全く女という生き物は・・・と思う。
しかし男はちゃんと話をしよう、と二階の彼らの部屋へ二人で入っていった。

仲裁の甲斐はあったか。
なんだかんだいって、長らく付き合っているカップルだしな。


しばらくして、大きな音がした。

数秒後に、銃声に似ていた、と思った。


あわてて二階に上がっていくと、
扉が開いて、化け物が出てきた。

化け物は、よく見ると、赤く血で染まり、
ところどころに脳の片々を付けた裸体の女だった。

「たった今、私が殺した」 と女は言った。

男は、真っ最中に、
銃口を自分の頭に向け女に引き金を向け
所持していたピストルを女に渡し、
「俺が憎いなら殺せ」 と言ったそうだ。

女の供述によると。

女が嘘をついているとは思えない。
あいつならそういう死に方をするだろうと思った。

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ちょっと前のエントリの知り合いが銃殺された話の
詳細が地元City Paperに載っていました。

人間の心に魔で勝る悪魔はいない。

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