2024年11月に起こったこと
2024年11月5日(火)米国で大統領選挙が行われました。日本に住んでいる方々には、特に関係のない話に聞こえますが、あらゆるニュースメディアが報じている通り、日本の生活者にも米国で大統領選挙の結果は大きく影響します。しかしニュースメディアはどうしてもスポンサーや運営企業の意図が入りがちです。
私は7月初頭ごろから、毎日双方の演説や米国発信のニュースを追っていました。その上で日本の国営放送のニュースをも見ていました。残念ながら、国営放送でも米国の選挙の状況がストレートに伝わっているようには見受けられませんでした。さらにYoutubeになると比較的大手のチャンネルでも、情報元が定かではない過激な発言や、視聴数を増す目的の陰謀論が見受けられ、目に余るな、と感じていました。
この記事では、米国市民を家族内に持つ者として、しかしどの政党とも金銭契約を結んでいない個人の立場の人間が、できる限りニュートラルなトーンで、米国大統領選挙についてお話ししたいと思います。
逆に、税金の軽減に賛成し、特に富裕層への税負担の軽減することにより、大資本はさらに富み、その大資本が中小資本や一般国民への福祉を提供することを期待しています。
同じ文脈で、キリスト教教会の繁栄を支持します。教会の資本が大きくなれば、教会からの福祉も潤沢に分け与えられるという考え方です。
基本的に中央政府を弱体化し、各々の州に法制定を任せる考え方です。そのため、信仰心が篤いが、高等教育は受けていない、農業地帯の地主や富裕層の白人支持者が多くなります。さらにその白人富裕層で労働する、教育を受けていない有色人労働者からも票を得ています。工場や農園で指示があるのでしょうね。
上記2党以外にもグリーン党なども存在しますが、上記2党を脅かすほどの得票をはありません。
そのため(残念ながら)上記 2 党以外に投票する行為は、票割れの原因や選挙権の放棄、と揶揄される傾向があります。
この数は18世紀末、奴隷に選挙権がなかった時代、奴隷人口を反映させるために作られました。所有する奴隷の数✖️ 3/5という計算方法でした。そのため、今でも南部農業地帯の地主や富裕層が住む地域は多くの選挙人数を持ち、一方でNew YorkやCalforniaなど、都会の大都市は Electoral Collage は寡少な状況になっています。
民主党は、継続的にこのElectoral Collageを廃止しようと試みていますが、古くからのしきたり意識が強く、いまだに実現していません。
日本に例えるなら、江東区と墨田区、という選挙区の構成ではなく、江東区1丁目 x 番地と調布市2丁目 y 番地の組み合わせという感じです。
● Mark Zuckerberg Reveals Facebook Election Meddling Plan
https://time.com/4952391/mark-zuckerberg-facebook-russia-meddling-congress/
2024年の選挙では投票箱が盗まれたり、放火されたり、また選挙管理委員への暴力、有色人種の有権者への投票所における暴力など犯罪も報告されています。
● Interference and voting issues in the 2024 election: Tracking incidents state-by-state
https://www.usatoday.com/story/news/politics/elections/2024/11/04/2024-election-integrity-security-interference-issues/76044660007/
上記のようにロシアは共和党に有利になるよう動いている背景としては、共和党候補者の Donald Trump が米国資本によるウクライナへの支援を打ち切ることを示唆したから、という理由が一つにあります。
一方で、共和党も、資本家のGeorge SolosがElection Interferenceに加担している、数々の犯罪は民主党のバックについているユダヤ資本家が企んだことだ、という主張をしていました。
同時に、2025年、大きな戦争にならないといいな。と祈ってます。
2024年11月に起こったこと
私は7月初頭ごろから、毎日双方の演説や米国発信のニュースを追っていました。その上で日本の国営放送のニュースをも見ていました。残念ながら、国営放送でも米国の選挙の状況がストレートに伝わっているようには見受けられませんでした。さらにYoutubeになると比較的大手のチャンネルでも、情報元が定かではない過激な発言や、視聴数を増す目的の陰謀論が見受けられ、目に余るな、と感じていました。
この記事では、米国市民を家族内に持つ者として、しかしどの政党とも金銭契約を結んでいない個人の立場の人間が、できる限りニュートラルなトーンで、米国大統領選挙についてお話ししたいと思います。
この記事の想定オーディエンス
日本人で、いまいち米国大統領選挙について、もやもや感があると感じている方。米国大統領選挙とは
現在のところ4年に一回行われている、米国大統領を決定するための投票です。一人の大統領は2回、4年の任期を務めることができます。それ以上の期間、大統領の職につくことは現在の米国では不可能です。共和党とは
現在存在する共和党は1854年に設立されました。元々は奴隷制度反対の主張を持っていました。リンカーン大統領が有名ですね。経済の発展により自然と民主的な選択が行われるという信条を軸にしています。そのため、経済の発展を妨げる法案には反対します。例に挙げるなら、石油資本の採掘活動を妨げるような自然保護を目的とした法案には長い期間反対を続けていました。2017年にパリ協定から脱退したこともこの文脈に沿っています。逆に、税金の軽減に賛成し、特に富裕層への税負担の軽減することにより、大資本はさらに富み、その大資本が中小資本や一般国民への福祉を提供することを期待しています。
同じ文脈で、キリスト教教会の繁栄を支持します。教会の資本が大きくなれば、教会からの福祉も潤沢に分け与えられるという考え方です。
基本的に中央政府を弱体化し、各々の州に法制定を任せる考え方です。そのため、信仰心が篤いが、高等教育は受けていない、農業地帯の地主や富裕層の白人支持者が多くなります。さらにその白人富裕層で労働する、教育を受けていない有色人労働者からも票を得ています。工場や農園で指示があるのでしょうね。
2024年のキーワード:Project 2025
共和党の候補者 Donald Trumpの前政権(2016〜2020)でのスタッフが大部分のメンバーを占める、Heritage 財団が掲げた米国の行政の方向性の理想を記した800ページに及ぶ Playbookです。簡単にまとめると以下になります。選挙期間中はDonald Trump陣営は、この Playbookとは関わりを持っていない、という声明をだしていました。(過去形)- 外国資本を排除し、米国内の産業を保護する
- 教育省を廃止し、各州が自由に教育を行う
- 妊娠中絶を違法化し、妊婦の州を超えた移動のGPSによる制限
- 受精した時点で人権があるという考え方による
- 大統領が最高裁決定以上の権限を持つ(任期制限の撤廃)
- ニュースメディアに対する大統領侮辱罪の制定
- 公費による伝染病予防ワクチン接種の廃止
- Affordable Care Act(オバマケア)の撤廃
- 移民の国外追放
- ゲイの違法化
民主党とは現在存在する民主党は1828年に設立されました。当初は中央大統領強権と、米国拡大主義(この場合は西部への拡大)を支持し、奴隷制度を支持する一方、中央集権的な中央銀行の設立には反対していました。しかし、20世紀初頭には奴隷制度反対主義に転換し、リベラルの考え方を軸として、ルーズベルト大統領が社会保障制度を設立しました。それ以降は中央政府による法制定、多民族国家、個人の自由の尊重(Diversity)、中央政府による福祉の充実、地球温暖化緩和措置の推進を行ってきていますし、政教分離の主義を徹底しています。都心の大学以上の学位を持つ有権者に支持されています。
2024年のキーワード:Skipping Primary
通常、各政党からの候補者は、各政党内での選定(Primary Election)の場が設けられるのですが、2024年の民主党の候補者Kamala Harris は、現行大統領の健康上の理由という状況を鑑みて、その手続きを踏まず、現行大統領の Joe Biden から、指名を受ける形で候補者となりました。Kamala Harris 候補者は下記の宣言をしました。- 銃の規制(銃所有前の犯罪履歴チェックの徹底)
- 妊娠中絶違法化の禁止
- 妊娠中絶は巻き戻し行為ではなく、医療行為であるという考え方。実際、州法の規制により胎内で死亡した胎児を外科的に取り出すことができず、感染症で女性が死亡した例が、選挙期間中に多く報告されました。
- スタートアップ企業への資金援助拡大(5千ドル→ 5万ドルの税控除)
- サンドイッチ世代(親の介護と子供の養育を双方しなければいけない世代)への社会保障からの援助
- 娯楽目的の大麻の合法化
- ゲイへの差別の違法化
上記2党以外にもグリーン党なども存在しますが、上記2党を脅かすほどの得票をはありません。
そのため(残念ながら)上記 2 党以外に投票する行為は、票割れの原因や選挙権の放棄、と揶揄される傾向があります。
Electoral Collageとは
日本から見ると、直接国のリーダーへ投票しているように見えますが、実はそうではありません。投票の計算は各選挙区で行われます。選挙区の区分けは州議会に任されています。Electoral Collageは、各州に割り当てられた選挙人の数です。この数は18世紀末、奴隷に選挙権がなかった時代、奴隷人口を反映させるために作られました。所有する奴隷の数✖️ 3/5という計算方法でした。そのため、今でも南部農業地帯の地主や富裕層が住む地域は多くの選挙人数を持ち、一方でNew YorkやCalforniaなど、都会の大都市は Electoral Collage は寡少な状況になっています。
民主党は、継続的にこのElectoral Collageを廃止しようと試みていますが、古くからのしきたり意識が強く、いまだに実現していません。
Gerrymanderingとは
ここで Gerry manderingというの言葉が重要になってきます。南部農業地帯の地主や富裕層が住む州の共和党議員は、次回の選挙に備えて、選挙区の区分けをできるだけ共和党に有利なように、変更することに腐心します。これをGerrymanderingといいます。アメリカでは富裕層の住む地域と、そうではない地域がはっきりしているため、特に黒人やヒスパニックの住む地域には、選挙人の割り当てを少なく割り当てるように変更します。例えば、私の住んでいたメリーランド州では。District 3の定義を、飛地状態で一つと制定しています。(下記図参照)日本に例えるなら、江東区と墨田区、という選挙区の構成ではなく、江東区1丁目 x 番地と調布市2丁目 y 番地の組み合わせという感じです。
ロシアの影響
米国選挙にロシアのプーチン大統領が共和党候補であるDonald Trumpに対して非常に大きな資金を投じています。これはよく陰謀論として語られることが多いのですが、実際に議会尋問の対象になっています。● Mark Zuckerberg Reveals Facebook Election Meddling Plan
https://time.com/4952391/mark-zuckerberg-facebook-russia-meddling-congress/
2024年の選挙では投票箱が盗まれたり、放火されたり、また選挙管理委員への暴力、有色人種の有権者への投票所における暴力など犯罪も報告されています。
● Interference and voting issues in the 2024 election: Tracking incidents state-by-state
https://www.usatoday.com/story/news/politics/elections/2024/11/04/2024-election-integrity-security-interference-issues/76044660007/
上記のようにロシアは共和党に有利になるよう動いている背景としては、共和党候補者の Donald Trump が米国資本によるウクライナへの支援を打ち切ることを示唆したから、という理由が一つにあります。
一方で、共和党も、資本家のGeorge SolosがElection Interferenceに加担している、数々の犯罪は民主党のバックについているユダヤ資本家が企んだことだ、という主張をしていました。
在外投票とは
ところで、もちろん海外に住んでいても、投票はできます。
この在外投票も各国の郵便事情に入り込んだロシアのスパイが握り潰す、なんて噂も流れました。それが心配なら、六本木の米国大使館に行って手渡しするしかないですね。
日本への影響は
さて、ここから切り替えて、勝敗がついた 12月の時点でどのような影響があるか、の話にします。上記に Project 2025 の声明は載せていましたので、同じポイントについて現在の予想されている動きを記載します。日本に住所を構える私たちの生活にも関係しそうなところを太字で記します。- 外国資本を排除し、米国内の産業を保護する → 日本輸出品への米国内での関税 & NATO 脱退
- 教育省を廃止し、各州が自由に教育を行う → 各州による教育方針の制定(例:聖書を教科書にする、銃の使い方を子供に指導など)
- 妊娠中絶を違法化し、妊婦の州を超えた移動の GPSによる制限→婦人科医療の衰退&IVFの違法化→日本で流通する米国製医療の衰退
- 大統領が最高裁決定以上の権限を持つ(任期制限の撤廃) → 4年後選挙の廃止?
- ニュースメディアに対する大統領侮辱罪の制定 → Xの検閲?
- 公費による伝染病予防ワクチン接種の廃止 → すでに反ワク者が厚生省に任命されたらしい
- Affordable Care Act(オバマケア)の撤廃 → 保険会社の独自ルールが医療を支配。持病持ちは保険に入れない、など15年前の状況が復活
- 移民の国外追放 → H1B ビザがとれなくなる
- ゲイの違法化 → いわずもがなの Anti-Diversity
さいごに
米国は良くも悪くも日本の最大の同盟国です。そして日本のニュースメディアも企業です。企業であるからには企業収入を最大に導くための戦略があります。日本のニュースメディアで米国の状況を知る方法では、日本企業の戦略のフィルタを通して情報を得ているということになります。これを読んだ方が、フィルタを通しているんだな、という感覚を忘れないようにしていただけるとありがたいなと思います。同時に、2025年、大きな戦争にならないといいな。と祈ってます。