甲斐駒(黒戸尾根)要再チャレンジ!

冬はともかく、雪解けしてからも仕事が忙しくて山に行けず、ちょっと土曜日に行った辻山も、雪が未だ深く途中で下山。5月は老母と旦那と犬を連れての奥穂高の温泉に行ったけど、私がツアコン役だったので気が休まらなかった。

6月に笠取山に犬と旦那を連れて行こうとして、新しくキャンプ用のザックまで買ったのに、天候不良になりそうで中止。

私が好きで行く私の為の山登りが、今年全くできていない!!と、正直キレた。

キレた勢いで、甲斐駒を計画してしまいました。前から「刀利天狗」とか「摩利支天」とか、中二病スポットにあこがれていたのです。
なので、上記スポットを通る黒戸尾根コースで計画しました。

正直言って、スキル不足でした、と後から思いました。まあこれは後で。

前日~当日登山口

会社の飲み会でいつもよりも遅くなった上に、旦那もなにやらコミュニティイベントがあったとかで、遅くに帰ってきてから犬の散歩。そのあとでパッキング最終仕上げ。うーん睡眠不足。特急電車で寝れるからいいか。

当日朝は、4時に起きて犬の散歩→早朝電車で新宿へ

小淵沢で下車して、予約していたMountain Taxiで尾白渓谷駐車場へ





去年の北岳も、北アの時も、だいたい早朝出発なんだったんだけど、今回は公共交通機関を使ったので、9時出発です。

ここで、YAMAPの甲斐駒地図をダウンロードしていないことが発覚。くっそー。昨日の私を呪う!!

~笹の平分岐

蝉の声がカナカナカナ…と降ってくる中、深い緑の間を一人で登っていきます。今回、のぼりでは全く周りの登山者を見かけませんでした。

蛙さんこんにちわ。
蛙さんこんにちわ。

しかしなー。登りがしょっぱなからつらい。結構頻繁に立ち止まってしまう。コロナで2年半ぐらい家から仕事してて通勤がなく、まあ、ほぼ毎日犬と走っているけど、全身運動は特にしていないので、体力が落ちていることをしみじみ感じました。

やっと笹の平分岐!で、前日コンビニで買った、滅多に買わない高カロリーの菓子パンを食べます。写真にとれなかったけど、子サルがいました。 

ここで、周りにほんとに登山者がいないので、熊鈴をストックにつけ替え、ウルさめに設定しなおしました。

笹の平分岐の後に粥餅石。


遠くからでも目を引く、倒木の上のキノコ。
こういうのが、森の中の見間違いになるんだろうなあ。

この山は、山岳信仰、特に剣術を学ぶ方々が信仰している摩利支天を祭る山だそうで(旦那情報)あちこちに石碑があります。今から見るとただの記念碑ですが、自分の命を守るアイテムプラスこういう石碑を背負ってこの山に入り、しかも設置した人には、いろいろな強い気持ちがあったんだろうなあ。すごい。



長い樹林帯を歩いてやっと次のポイント!刃渡りです。

ここではじめて下山者とすれ違います。だいたい12時くらい。

私、静かな森や岩石の環境があの世っぽくて好きなのですが、あの世に行きたいわけではないので、スリルや急登チャレンジは特に興味ないです。だから鎖場は、シンプルに「やだなー」と思います。

ついそれが口に出てしまい、下山者に、まだまだこれからあるよーと脅されます。

…マジっすか。

~刀利天狗

刃渡りの後にすぐに最初のはしごやロープが登場して、すぐに刀利天狗!




ここで二度目の休憩を取りました。あんぱんをいただきます。



横浜市瀧下町は、現在の栄町です。昭和4年設置とのことですが、ずいぶんきれいに残っていますね。覚心行者、薮崎幸太郎さん、市内出身なので気になりました。

~5合目小屋

この辺りからバテ感を感じてきていて、あくびが頻繁に出ます。

いかん、あくびは高山病の予兆って、「山を渡る」でも言ってたな。


しかし、イワカカミが可愛い。

五合目小屋後につきました。ここで少し休憩。少し広めの大地です。


小屋というか、ほら穴?



五合目小屋を作った方のレリーフがあります。
古屋義成翁、植松嘉平治、亀太郎が、修験行者の祈祷所を作った話が書かれていますが何が言いたいのかがよくわからない昔の良くある文体で苦笑。おそらく、すごい人がいたぞ、尊敬しなさい、言いたいのだと思います。
最近の登山者にはスルーされているのかな。ちょっと道に背を向ける形で立っているので、まあタイムを気にしている方にとっては、おそらくスルーだと思います。

ここで休んでて気づいたんですが、ここだけ、落ちているプラゴミが多い。瓶が多め。古めゴミに見えました。

五合目~死にそうなハシゴと鎖場の連続

この後から、七丈の小屋までが、私にとっては最悪で。
急登が勾配がきつい坂、という意味ではなく、垂直な岩をのぼる
鎖場とハシゴの連続になります。
まず、屏風岩前の石碑群


この先が垂直ハシゴで、登ったところにちょうどある岩に手をかけたら、
石碑だった。おっと、ゴメンナサイ。


その先のイワカガミ群と、それを覗く石碑たち

後ろに見えるのは、千丈の滝。水音が美しい。

この橋が怖かった。崖下がシースルーで、足が小さい人はかかとが落ちそう。
地面がめっちゃ遠い。

直後に垂直ハシゴ。つまり、崖の横を垂直に上がり続ける。
ハシゴや鎖場あるって聞いてたけど、ヘタレ登山者の私は
「あーあの、丹沢にあるやつね!」ぐらいの理解でした。
本気の鎖場やハシゴを知らなかった。マジごめんなさい。


崖の垂直ハシゴ(これも怖い)を登った先にあったチャレンジ崖で、固まりました。
登るときも降りる時も余裕がなく、写真取れなかったのですが。
七丈の小屋手前です。怖い。
ほぼ垂直の崖を、重いザックを背負って、よじ登ります。




誰も周りにいないのに、「え、これどーすんの?」と声に出ちゃった。
その後、5分くらい固まってました。

結び目のあるロープがあります。
鎖も下がっています。
右側(崖)にくぼみが二つあります。右足を乗せることは、わかった。

この最終チャレンジ崖の問題点は、左足を乗せるところが、謎の鉄わっかまで、無い。
ひび割れを利用するのかなあ、とくぼみ①に足を乗せて、少し登って左足を突っ込んでみるが、突っかかるところはひび割れ内には無い。
ふりだしに戻る。

うーん。止まっていても仕方ないな。ここでビバークするわけにいかないし。ここで元来た道を戻ったら、日が暮れての下りさらに危ない。登るしかない。

固まる。5分。間違うと落ちるね。落ちたら死ぬね。
死にたくない。おうちで白犬と黒犬と旦那が待っている。

私が出した回答は下記。

1.ロープを手首に巻いてつかむ。鎖もつかむ。(手袋必須)
2.くぼみ①はガン無視して、最初からくぼみ②に右足をかける。(股関節の柔軟性必要)
3.体を引き上げ、謎の鉄わっかに左足をかける。
4.ずるずる、なめくじのように、鎖とロープと、岩面を頼りに体を引き上げる。

でも、これはきっと正解じゃない。だって最初から②に足が届くのは柔軟性と、
ある程度身長が必要だよね(※私は167㎝。昔の行者はもっと小さいはず。そしてバレエ習っててよかった!ここ10年やってないけど)
甲斐駒プロに聞きたいです。このチャレンジ崖の正攻法は何なんでしょう?

このチャレンジ崖を超えると、ハシゴや鎖はあれど、まあそれほど危ないところはなく(※だんだん麻痺してきています)、無事、七丈小屋につきました。よかった。いのちだいじ。


夕飯はすごくおいしいカレーとコロッケと蕎麦でした。
日本の山登り食って、だいたい炭水化物と油だよねw


日が沈む直前、野外トイレのそばで鳥の声を聴いてました。


七丈の小屋~下山

当初の予定では、朝早くに出発して、甲斐駒山頂を目指し、そのまま下山するつもりでした。しかしこの時点で、結構な頭痛とめまいもあり、なるべく安全に下山することを考えていました。朝のうちは山頂付近の天候も悪いし、ピークハントはパスしました
北沢峠に降りることも考えましたが、そのあとの公共交通機関も確定できず、結局、来た道の黒戸尾根を戻ることにしました。
時間に余裕をもってゆっくり降ります。だって私のスキルでは危険ロードです。特に下山では。いのちだいじ。

5:30頃に出発してかなりゆっくり、早朝の黒戸尾根が朝日に反射する姿を楽しみました。



朝は雨だったため、濡れてて滑りやすくなっていた崖の上のシースルー橋。



可愛い雲が八ヶ岳の上にかかっています。
鳳凰三山、瑞牆山、見晴らしよく見えました。





土曜日なので、多くの人があがってきます。
というか、夜から登り始めている人もいて、かなり上の方で会いましたよ。
夜にこの道登るのすごい。ヘッドライトあっても、足場が影になって見えないとかありそうなのに。



ガチの山伏の方々があがってくるのとすれ違いました。

天気が回復しましたね。暑くなってきています。富士山がみえました。


この花、なんだろう?


あと、登ってくる皆さんすごい早いし慣れている。


写真では緩やかに見えますが、ここは結構な傾斜で、崖の上なので三点支持で私はドキドキしながら渡ったのですが、Youtuberさんかな?が片手にGoPro持って片手で登っていくのはスゲェと思いました。
帽子に固定で、とかだと画角が自由にならないからかなあ

まとめ

こんな山登り初心者が、このコース行けたのは、たまたま昔踊ってたとか、普段犬と走っていたとかの体力だけで、つまり、えぃやぁなプランだったなあと反省。

結局頂上には行けなかったし、また甲斐駒はトライしたいです。

次は、公共交通機関にたよらず、車で来た方がよさそうですね。下山時間を調整しないで済みます。あと、ボルダリング再開しよう…!

おまけ

ソロ8時間、ずーっと頭の中でVNV NationのStandingが回っていた。


 

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