遭難した話 We got rescued in Tanzawa
突然ですが、Waldeinsamkeit、とは、ドイツ語で「森の中を一人で思索し歩く者」という意味だそうです。 私は2001年頃から2015年まで米国東海岸の平地に住んでいました。 米国の郊外は緑にあふれ、都会とは言えないところに住んでいました。一方日本の首都圏の通勤できる郊外は、あまり緑は多くなく、そしてスーパーマーケットや町中や駅で、下品にオーバーラップされて流される広告音声が嫌でした。そして静かな森を求め、休日に西東京や県内の山間部に散歩に行くようになりました。 2016年、西丹沢の「ユーシン渓谷」という場所がネット上で「景色バエる」場所としてリスティングされていました。西丹沢の玄倉地域の上流が、地質のせいで小川の地底が青色になり、とてもきれいな場所になっています。残念ながら2021年現在は2019年の台風によるがけ崩れのため通行止めになっています。 2016年当時、私はまだ山登りを始めていませんでした。ユーシン渓谷には、犬と主人と一緒に林道沿いにユーシンロッジ(無人で避難小屋のみ利用可)まで、日曜日のお散歩に行くつもりで出かけました。日本に来たばかりの主人を連れて運動靴で出かけました。 紅葉の美しい時期で、ユーシンロッジにも多くの人が訪れていて、私も犬と小川で遊んでいるうちに、片足ボチャンと小川に突っ込んだ覚えがあります。 実はユーシン渓谷に来たのは2回目でした。行って帰るのがつまらないので、何かループして帰れないのかな?と旦那が言い出した時、この道端の地図が目につきました。 あ、雨山峠ってところから、檜岳につづいて、伊勢沢ノ頭で玄倉の駐車場に戻れるじゃん? というわけで、登山靴を履かずに、ヘッドライトも持たず、地図も持たないお散歩装備で 雨山峠に向かいました。 今その当時の私を山道で見つけたら、迷わず止めます 。 実際、雨山峠ですれ違った女性2人、と、檜岳への道ですれ違った男性も「?」という顔をしていました。が、当時は山の中にいる外国人が紀州犬連れているってそれだけで珍しい目で見る方もいらしたので特に気にしませんでした。 逆に言うと、すれ違うハイカーはその3人以外見ないほど、マイナールートだったということですね。 しかし、山神峠を過ぎたあたりから、山道の踏み跡がなくなり、どんどん違う方向にいきます。 後から山神峠だと思ったこの標識は、違うところにあった、出...